2015年4月 滝沢歌舞伎 10th Anniversary (2)

翌週、今度は姉と2人で演舞場に赴いた。
滝こみご飯弁当を買い、ドヤ顔で「トイレは混むからこのタイミングでね」などと指示しまくった。

前週の観劇から毎日パンフレットを読み込み、観たいJr.が増えていた。
特にThey武道の江田ちゃんは縁もゆかりも無いが八重歯が可愛らしく、勝手に江田ちゃん呼ばわりするほど気に入っていた。

予定通り“ひーくん”に照準を合わせ、おつまみ程度に江田ちゃんを観ることができていた。
“ひーくん”は良い感じにパーマがほぐれて別人のようにカッコよさが増していた。
太鼓導入の部分で控えめにシンバルをシャンシャンする“ひーくん”を楽しんだ。
腹筋太鼓のいちばんキツそうな場面では“フッカ”の苦しそうな表情も見たくなったので、心の中で(ひーくんごめん、一瞬だけ!一瞬だけフッカ見るね?すぐ戻るからごめんね?)と必死に詫びた。

お化粧シーンは前回より少しだけ全体を見渡す余裕が持てた。
体格のよい男達が柔らかそうなタオルで顔を擦らないようぽんぽんと汗を拭い、アイラインを引いていた。
手鏡を顔に近づける者、机に置いた鏡に顔を近づける者、お化粧の仕方はさまざまだった。
中でも“フッカ”のアイラインの引き方は、完全にギャルのそれだった。手鏡の持ち方、肩の入れ方、お化粧中の顔…全てに於いてギャルだった。恐らく母親か妹か、はたまた彼女か、身近な女性があのようにお化粧をするのを日常的に見ているのだろうと確信した。

個人的千秋楽ということもあり、終わってしまうのが本当に寂しかった。できることなら毎日演舞場に来て公演を観続けたいと心から願った。
2回ともほぼ天井席だったので、目が悪い私は双眼鏡必携、出演者と目が合うなんてことは一度も無かったし期待どころか思いつきもしなかった。
With loveを歌い終えたタッキーが三方礼のため、こちらを向いた。双眼鏡の中で目が合うなんて、初めての経験だった。驚きの余り動けなくなってしまった。

涙でグズグズの終演後、グッズ売り場を通り過ぎ、階段を下り始めたが、立ち止まる。
写真が欲しくなった。
2回までと決めていたので、今回を逃せば買えなくなってしまう。いずれ後悔すると思った。
心の中で(私ジャニヲタじゃないんですけどねぇ、Snow Manが好きなんですよ)と言い訳しながら、展示パネルに向かった。

大判のステージフォト 岩本照、深澤辰哉、宮舘涼太江田剛、集合の計5枚を購入した。
まだ戻れると思った。ステージフォトたった5枚。大丈夫。横尾さんの写真は1枚も買ったことはないけど、ステージフォトたった5枚。何も問題はない。家に帰れば横尾担。観光地のお土産みたいなものだと自分に言い聞かせた。

羽田空港ではやはりお寿司を食べた。
姉との会話は
「春のおどりは!」
「よぉいやさぁ」
及び
「みっくんカッコよかったぁ」
「ね、みっくんだったね」
に終始した。

機内でステージフォトを眺め、2人で演目ひとつひとつを思い出そうとしていた。すると後ろの席の女性に声を掛けられた。聞けば今井翼担で、席の隙間からタッキーの写真が見えたので気になったのだという。
タッキーが写っている写真は1枚しか無かったが、謎の親切心が働き、良かったらご覧になって下さいと手渡した。
Jr.担でもないのに極度に偏ったラインナップの写真を渡されても困るだけだよなぁと、今になって思う。
ありがとうございます、カッコいいですねなんて言ってくれて、今井翼担の女性はよく出来た人だった。


帰宅し、2人してもう一人の姉(バンギャ)に所感を述べ続けた。
所感といっても「春のおどりは よぉいやさぁ」「みっくん」「腹筋太鼓ヤバイ」しか言っていない。


数日後、同行した姉は北山先輩の腹筋太鼓姿を励みに筋トレを続け、ダイエットに成功、彼氏ができたと報告してきた。
一方の私は、アルバムの中で表情を変えない・喋らない・動かない岩本照、深澤辰哉、宮舘涼太に対し、「行ってきます」と「ただいま」を言う日々を送っていた。

滝沢歌舞伎は恐ろしい。