2016年10月 ABC座 日生劇場

◇自分語り

今年もこの季節がやって来た。

秋の夜に歩く日比谷界隈のエモさといったら…想像するだけで胸が締め付けられる。私は日生劇場が大好きだ。

昨年度は“後悔のないように”というスタンスで、行きたい現場は可能な限り入った。

今年度は生活環境に大きな変化があり、ジャニーズから遠ざかる期間が長かったし、今も完全復帰はしていない。戻る必要も無いかとすら考えており、このままフェードアウトするようにジャニヲタを卒業することに躊躇いが無くなってきた今日この頃である。

 舞台もコンサートも1回のみと決めたら、集中力が高まる。(最初で最後の1公演、大切に観よう)と思える。

今年度はお友達のおかげで席に恵まれたこともあるが、多ステしていた頃より双眼鏡を使わなくなった。双眼鏡を覗いている間に死角となる空間さえも惜しいのだ。

いつの間にか変化していた私の“応援”スタンスと観劇スタイル。

それに気づかせてくれたのが本公演だった。

 

◇えび座の感想

なんせ泣いた。1幕開始してすぐの

「株式会社〜応援屋〜♪」

で既に泣いていた。

“応援屋”が何なのかも全くわからないのに、太鼓をドコドコやってるMADEを観て泣いた。

ジョーの働くコンビニについて「酒屋の土地…」(うろ覚え)というナレーションがあり、胸が踊った。去年のえび座と同じ世界線なのだろうか。今年もやたら早口に感じ、感傷に浸る隙がない。

応援屋の場面とデジタルコープスの場面が過ぎ、(今年おばはん多くない?)と思った。

 

ジョーという男

とっつー♡前髪どしたん?真ん中だけパッツン。

いい事を聞く。偉い。

お人よしの頑固者。なのにイシケンに出会ってあっさりと転職しちゃう。

高校野球が好きで、シフトの融通が利くからという理由で長年続けていたアルバイトなのに、鮮やかなる変わり身。

でも応援屋になったら高校球児も含め“応援”が生業になるもんね。好きなことが仕事になるっていいよね。良かったねジョーくん

 

◆鳩山くん

我らが愛しの宮近海斗♡髪切ったんだね。爽やかでとてもいい。雅なる襟足。

コンビニのアルバイトは世をしのぶ仮の姿。デジタルボーイズのイチとして「ヒャーッハッハッハ」とか笑う姿は心の闇そのもの。いや、無断欠勤は完全にOUTやろ。めっちゃ悪い奴やんか。

 

◆BAR チェリームーン

江田ちゃんとヒロキの店。店名がピンク色なところが江田ちゃんの店らしい。

マイクを通さず行われた

「(飲みなよ)」

「(いいっす、車なんで)」

このようなやり取りだけは双眼鏡でしっかり見た。

 

◆デジタルボーイズ

天才プログラマー集団(笑)

プログラミングの天才って何?めっちゃ複雑なプログラムを作れるってこと?タイピングが速いってこと?短納期でも確実に納品してくれるってこと?バグが全然無いってこと?ネットワークの構築がヤバイってこと?炎上させるっていうのはマーケティングとかの領域では?ハッキングとかじゃなくて?プログラミング?

全員ポリシックスみたいなサングラス掛けてた。 

 

今回の劇中では『誰かを応援することで、自分自身が強くなれる』みたいなことをよく言っていた気がする。確かにその通りだ。

自身のジャニヲタとして歩んできた軌跡を振り返る。キスマイからSnow Manに降りてきて、(デビューさせるぞ、応援するぞ)と思っていた頃、Snow Manは心の糧であったし頑張る理由であった。

だから伝えたいことはよくわかる、理解できるのだが、劇中でアイドルについて言及されるのがすごく居心地が悪かった。

(「アイドルってすごいんだぞ」とかそんなん知っとるわ)とシラけてしまったし、何なら少し腹が立った。

なぜ私はこんなにも不愉快な気持ちになったのか。原因は二つ考えられる。

一つは、単純にサプライヤーがオタクに擦り寄ることが嫌いだから。

もう一つは、今回の観劇に於いて、私が専務・ゆみこに感情移入してしまったから。

ゆみこに同情してというより、ゆみこの立場になって気持ちを想像して泣いたり怒ったりしていたのだ。(去年は猫のラムに感情移入していた)

夫が辛いのはわかるし、アイドルにうつつを抜かしているとは言わない。心の拠り所として最適だったのだろう。それにしたって、今は亡き大切な一人娘を勝手に投影して…生き甲斐!?な〜にがシンドバッツよ!!!!!ふざけるんじゃないわよ!!!!その娘は美穂じゃない、一緒にしないで!!!!!

美穂はもういないという現実から目を背けて逃げているだけではないか。

そういうゆみこ自身も事故現場には未だに訪れられないでいるのだが…

…という具合に心の中でゆみこの肩を持ちまくっていたが為に、アイドル云々の件は居心地が悪かったのだと思う。

私には子どもはいないし、そもそも独身だし結婚も出産も未経験ゆえに子を持つ親の気持ち そして喪う悲しみなど知る由もないので、なぜゆみこに感情移入してしまったのかは謎である。

 

応援屋はいろんな人を応援した。

太鼓を打ち鳴らす手振りがややダサくて(寒w)と思ったが、ちらりと映ったプラネッツの姿が涙腺を刺激した。良かった、プラネッツも元気にやってるんだ…。

 

長岡に帰って来たゆみこは言った。

「人生をやり直す」

今年の「少年たち」でミヤダテも使っていたが、このフレーズは問答無用で私の心を突く。カラシマは人生をやり直したいんですよ。

ゆみこが前を向けた時点で、感情移入がそっと剥がれていた。それからの応援屋の声が、裸の心に響く響く。ABCからのZ、全身全霊。

 

応援されると、こんなにも心地よく、元気になれるのか。肯定されているという安心感もある。

以前のようにSnow Manを応援できなくてもいい。応援のしかたはいくらでもある。何より、自分自身を応援してあげたい気分だ。

応援したい人がいるというのも幸せなことなのだな。

 

あ〜〜モスバーガーのテリヤキチキンバーガーが食べたい